院長ブログ

2012年3月 7日 水曜日

フケ


フケは、それがあるからと言って日常生活にひどく支障を与えることはほとんどありませんが、フケが衣服に付着していると周囲に不潔な印象を与えてしまいますし、放置しておくと皮膚の炎症がすすみ、脱毛の原因になることもあり、治療の対象になる症状です。

フケの正体は頭皮から脱落する角化細胞と皮脂の混合物です。

フケの出てくる病気の主な皮膚疾患に、脂漏性皮膚炎があります。乳児期と中高年の男性に多いのですが、どちらも皮脂分泌の盛んな男性ホルモンが関係して発症しやすくなります。
皮脂分泌の盛んになる原因として、年齢的・生理的なもののほか、睡眠不足やストレス、食生活、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病、脳神経疾患などがあります。このほか、この病気の皮膚にはマラセチアという真菌が多く存在することが分かっています。
治療は、炎症のある(赤みやかゆみのある)状態には、ステロイドのローション剤を使用し、同時に抗真菌剤を外用します。このほか細菌感染がある場合は抗生剤を外用することもあります。
また、食生活のバランスが取れるまで、ビタミン剤の内服をしたり、かゆみが強いときは抗アレルギー剤(かゆみ止め)の内服を併用したりします。
基本的にシャンプーは毎日行いますが、炎症部位を悪化させないように、指の腹で優しく洗うようにします。この際、抗真菌効果のあるシャンプーで洗うと調子がよくなることがあります。
皮脂の分泌を低下させる外用剤や、漢方薬などが効果的なこともあります。
なお、乳児期の脂漏性湿疹は、きれいに洗うこと、弱いステロイド治療で経過を見ていると生後6か月頃までにはきれいになってしまうことがほとんどです。治りにくい場合はアトピー性皮膚炎への移行も考慮します。

フケの訴えで、中に、尋常性乾癬という疾患の方が時々みられます。脂漏性皮膚炎として経過を見ているうちに、後年に乾癬の診断に至ることもあります。
頭部はこの疾患の好発部位で、先ほどの脂漏性皮膚炎より、フケが厚く白っぽくこびりついて見えることがあります。
頭皮病変に対する外用剤は、ステロイドのローション剤のほか、血中カルシウムの値に注意しながら、活性型ビタミンD3製剤を使用します。
こちらの疾患も、高脂血症や糖尿病等の生活習慣病と関係することがあります。
罹患期間が長く、病変が広範囲になるときは、免疫抑制剤を用いることもあります。

また、アトピー性皮膚炎などの乾燥肌の方にもフケがみられることがあります。
この場合、上記の疾患とは違い、シャンプーの回数を減らすことが解決になることもあります。液体の保湿剤を使ったり、ステロイド剤を使ったりします。

フケは、以上のような、脂漏性湿疹、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、のほか、接触皮膚炎、細菌感染などでも出てきます。いずれの場合も、スキンケアや外用など、生活の中にすこし新しい習慣を取り入れることが必要になってきます。



やじま皮膚科

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投稿者 やじま皮膚科 院長